2026/01/28 18:56

「切符」という言葉の歴史

「切符(きっぷ)」という言葉は、実は鉄道が誕生するずっと前から日本に存在していました。
語源を辿ると、「切った札(ふだ)」という非常にシンプルな成り立ちに行き着きます。

1. 語源は「切り取った証書」

もともとは「切紙(きりがみ)」と「符信(ふしん/証拠のこと)」が組み合わさった言葉と言われており、江戸時代、大きな紙(全紙)に書かれた証書を、取引の際に適当な大きさに切り取って渡したことから「切符」と呼ばれるようになりました。

当時の用途としては、お金や商品のやり取りをする際の「預かり証」や「領収書」、あるいは「通行証」のような役割で使われていました。


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2. 鉄道とともに「乗車券」の代名詞へ

明治時代に鉄道が開通した際、最初は英語の "Ticket" を訳して「乗車券」や「乗車切手」と呼ばれていました。
しかし、庶民の間ではすでに「何かと引き換えるための札」として馴染みのあった
「切符」という言葉がしっくりきたようで、次第に「鉄道のチケット=切符」という呼び方が定着していきました。

3. なぜ「符」の字を使うのか?

「符」という漢字には、「二つに分けたものの片方」や「しるし」という意味があります。
昔の中国では、竹や木を二つに割り、それぞれがピタリと合うことで本人確認をする「割り符(わりふ)」という仕組みがありました。

「切符」もまた、「客が持つ片方」と「発行者が持つ台帳(あるいは半券)」を照合して効力を発揮するものだったため、この字が当てられました。

豆知識:切符に「ハサミ」を入れる理由

かつて駅員さんが改札でパチンと切符を切っていたのも、語源の「切る」に繋がる行為でした。
※Z世代でも、懐かし昭和クイズなどで見たことがあるのでは?

これは単に使用済みであることを示すだけでなく、切り口の形(パンチの形)によって「どの駅の改札を通ったか」を判別するためのものでした。

駅ごとにハサミの形が違ったんですよ。

「切符」という言葉一つに、江戸時代の商習慣から明治の鉄道開通までの歴史が詰まっているのは面白いですよね。